2021/11/30

健康講座398 新型コロナワクチンとインフルエンザワクチンを同時に接種できないか?

 みなさんどうもこんにちは。

小川糖尿病内科クリニックでございます。

 新型コロナワクチンとインフルエンザワクチンを同時に接種できれば、正直とても助かりますよね。米国ではワクチン接種率を高めるために同時接種も可としているが、日本では現時点で互いに片方のワクチンを受けて2週間後に接種可となっているのです。今回、英国による多施設共同無作為化第IV相試験で、新型コロナウイルスへのアストラゼネカ製ワクチン(ChAdOx1)もしくはファイザー製ワクチン(BNT162b2)とインフルエンザワクチンの同時接種により安全性の懸念は引き起こされなかったことが示されたようですようでございます。また、両ワクチンに対する抗体反応も維持されていたようです。


 本試験では、2021年4月1日~6月26日に英国における12施設で、新型コロナワクチンの初回接種を受けた成人679人を登録し、以下の6グループに分けて検討した。

・ChAdOx1+培養細胞4価インフルエンザワクチン:129人
・BNT162b2+培養細胞4価インフルエンザワクチン:139人
・ChAdOx1+MF59Cアジュバント添加3価インフルエンザワクチン:146人
・BNT162b2+MF59Cアジュバント添加3価インフルエンザワクチン:79人
・ChAdOx1+遺伝子組換え4価インフルエンザワクチン:128人
・BNT162b2+遺伝子組換え4価インフルエンザワクチン:58人

 その後、新型コロナワクチンの2回目接種と一緒にインフルエンザワクチンもしくはプラセボを接種し、その3週間後にインフルエンザワクチン接種者にはプラセボを、プラセボ接種者にはインフルエンザワクチンを接種し、6週間観察した。前者には340人、後者には339人が無作為に割り付けられた。主要評価項目は、インフルエンザワクチンもしくはプラセボの接種後7日間に参加者から報告された1つ以上の特定全身反応であり、差が25%未満であれば非劣性とした。また、局所および非特定全身反応、液性応答も評価したようです。

 主な結果は以下のとおりだそうです。

・6グループのうち、ChAdOx1+細胞培養4価インフルエンザワクチン(インフルエンザワクチン群とプラセボ群のリスク差:-1.29%、95%信頼区間:-14.7~12.1)、BNT162b2+培養細胞4価インフルエンザワクチン(6.17%、-6.27~18.6)、BNT162b2+MF59Cアジュバント添加3価インフルエンザワクチン(-12.9%、-34.2~8.37)、ChAdOx1+遺伝子組換え4価インフルエンザワクチン(2.53%、-13.3~18.3)の4グループでは非劣性を示した。一方、ChAdOx1+MF59Cアジュバント添加3価インフルエンザワクチン(10.3%、-5.44~26.0)、BNT162b2+遺伝子組換え4価インフルエンザワクチン(6.75%、-11.8~25.3)では、95%CIの上限が非劣性マージンを超えた。
ワクチン接種による全身反応のほとんどが軽度もしくは中等度だった
・局所および非特定全身反応の割合は、無作為に割り付けられた2群間で同様だった。
・重篤な有害事象は重度の頭痛による入院の1件で、試験的介入に関連していると考えられた。
・免疫応答への影響はなかった。

 ややこしいですが、同時接種に大きな問題はなかったようでございます。来シーズンに、新型コロナワクチンとインフルエンザワクチンを一緒に接種することで、ワクチン接種のための負担が軽減され、ワクチンが必要な人々へのタイムリーなワクチン投与とCOVID-19とインフルエンザの予防を可能になると良いですね。

原著

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