2021/12/23

健康講座420 10代の肥満研究

 みなさんどうもこんにちは。

小川糖尿病内科クリニックでございます。

 周囲に肥満や過体重の人が多数存在する環境で育つ10代は、それが理想的な体型だと認識するようになり、その結果、自身も肥満や過体重になりやすいことが、米南カリフォルニア大学の研究で示されたようです。肥満率が高い地域では、体重が不健康なレベルでもそれが当たり前とみなされ、このことが肥満対策を難しくさせている可能性があるとのことでございます。


 今回、2017年12月から2018年7月にかけて、米軍関係者の家族を対象とする研究に参加した16~19歳の10代 401人のデータを収集したようです。子どもたちとその親たちには、オンライン調査を通じて身長や体重などさまざまな質問項目への回答を求め、また、子どもたちには標準体重から肥満まで9種類の体型を図示し、その中から自分にとって最も理想的な体型を選択させたようです。

 その結果、肥満率が高い郡に住んでいる10代は、肥満率が低い郡に住んでいる10代と比べて、より大きな体型を理想的な体型として選ぶ確率が高いことが示されたようです。この研究は、親の勤務地の関係で肥満率が高い、あるいは低い郡で生活する10代を対象としているため、肥満者の多い環境が、体型の基準や肥満リスクにどのような影響を与えるのかを実社会の中で検討したようです。

 肥満の人をたくさん目にすることで、若い人が過体重の体型を当たり前とみなすようになることには、メリットとデメリットの両面があるようです。そして、メリットとして、自分自身の体型に満足できたり、肥満であっても自尊心が傷付けられにくくなることなどを挙げられています。さらに、ソーシャルネットワークで肥満が標準体型とみなされるようになれば、肥満に対する偏見がなくなり、肥満を理由としたいじめや嫌がらせも減るのではないかとも考えられています。

 その一方で、肥満は2型糖尿病や脂肪肝など数々の慢性疾患の主なリスク因子でり、肥満が当たり前のことになってしまうと、肥満の予防や管理に関心が払われなくなり、健康上の大きなリスクにつながる可能性もあります。

原著

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