2022/01/05

健康講座431 コーヒーと不整脈

みなさんどうもこんにちは。

小川糖尿病内科クリニックでございます。

 コーヒーを飲むことで気分がスッキリする方は多いでしょうか。私も毎日ブラックコーヒーを飲んでおります。しかし、健康への影響に関して言えば、コーヒーは体に良い面と悪い面の両方を併せ持つようでございます。米カリフォルニア大学サンフランシスコ校が実施した臨床試験から、コーヒーの摂取は活動性を高める一方で、睡眠時間に悪影響を及ぼし、また特定の不整脈を引き起こす可能性のあることが明らかになったのです。

 今回、コーヒーを飲む習慣のある100人(平均年齢38歳、女性51%)を、2週間にわたって1日ごとに、コーヒーを飲む日とコーヒーを控える日のいずれかにランダムに割り付けたようです。試験期間中、対象者には携帯型の活動量計や心電計、持続血糖測定器を装着してもらい、持続的に健康状態を記録し、コーヒー摂取により生じる変化について調べました。

 その結果、コーヒーの摂取が、心室からの異常な電気信号が引き起こす不整脈である心室性期外収縮(PVC)が54%増加することが示されたのです。また、コーヒーを2杯以上飲む人では、PVCの発生数が2倍に増加していました。PVCの発生は珍しいことではなく、通常は無害とみなされていますが、これまでの研究から、一部の人では、PVCの増加が心不全の独立したリスク因子となる可能性が指摘されているのも事実でございます。

 この研究ではさらに、コーヒーが身体活動と睡眠にも大きな影響を与えることも示されました。コーヒー摂取日には、参加者の1日の歩数が通常に比べて平均で約1,000歩増えていたのです。飲んだコーヒーが1杯増えるごとに1日の歩数が600歩近く増えていたようです。その一方で、コーヒー摂取日に割り付けられた日には、対象者の夜間の睡眠時間が36分短くなり、飲んだコーヒーが1杯増えるごとに、睡眠時間は約18分短くなることも示されました。

 コーヒーの体への影響は、良いことづくめでもなければ、悪いことづくめでもないようです。最終的に良いのか悪いのかは、複数の要因の組み合わせに左右される可能性が高いと思われます。
 

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