2022/05/16

健康講座492 筋肉痛の雑談

みなさんどうもこんにちは。


小川糖尿病内科クリニックでございます。


筋肉痛には、「即発性」と「遅発性」の2種類があるそうです。その名の通り、運動直後に起こるものが「即発性」で、翌日~翌々日にドーン…と出てくるのが「遅発性」です。お子様の運動会ではりきって体を動かした翌日ならぬ翌々日に筋肉痛がやってくることがある人もいるのではないでしょうか。

専門用語で書くと、遅発性筋痛(Delayed Onset Muscle Soreness:DOMS)と呼ぶのですが、ここでは筋痛ではなく筋肉痛と書かせていただきます。

遅発性筋肉痛は、運動してから1~3日後に起こりますが、これは筋の微細な損傷によるものと思われています。実のところ、筋の損傷がひどいほど強い筋肉痛が出るのかどうかは、まだよくわかっていません。筋線維には直接痛みを感じる神経があるわけではないので、筋肉周囲の炎症やむくみが広がって筋膜に達するまで時間がかかるため、遅れて筋肉痛がやってくるとされています。


俗に、「歳を取ると筋肉痛が遅れてやってくる」と言われています。実際のところはどうなのでしょうか?

遅発性筋肉痛のメカニズムと意義と予防・対処法. 上原記念生命科学財団研究報告集. 2006; 19: 77-79.研究では、18~22歳の被験者と60~70歳代被験者にダンベル運動をさせて、筋肉痛の発生を観察しています。これによれば、筋肉痛の発現タイミングに年齢による差はなかったとされています。

しかし、若年者の遅発性筋肉痛については、幼稚園児や小学校低学年では遅発性筋肉痛が生じにくく、小学校高学年から生じやすくなることも明らかとなっています。

一方、運動不足の人ではやはり遅れてやってくるという見解があります。習慣と加齢による遅発性筋痛の発生パターンに関する磁気共鳴画像による検討. 明治鍼灸医学. 2004; 35: 11-20.によれば、普段から運動をしていない人は、体育会系のクラブやサークル活動などで自己トレーニングを週3回以上継続している人と比較すると、年齢による影響を受けやすい(歳を取るほど遅発性筋痛が出やすい)と報告されています。

つまり、「運動不足の人間は、歳を重ねるほど、その後強い筋肉痛を起こしやすい」ということが言えるのかもしれません。

起こってしまった筋肉痛に対する治療としてはエビデンスの高いものはなく、よく行われている冷却やマッサージが有効とされています1)。本当に冷やすほうがよいのか、温めるのがよいかは論争が続いています2)

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