2022/05/18

健康講座493 食塩摂取と心血管疾患

 みなさんどうもこんにちは。

小川糖尿病内科クリニックでございます。

 高齢化が進むなか、男女ともに平均寿命と健康寿命には、約10年の開きがあるようです(2016年のデータで、男性:平均寿命が80.98歳/健康寿命が72.14歳、女性:平均寿命が87.14歳/健康寿命が74.79歳)1)。この健康寿命を延ばすために、心不全や心筋梗塞、弁膜症といった心血管疾患の予防、重症化の防止が重要になると思われます。

 心血管疾患の大きなリスク因子である高血圧への影響のほか、心血管疾患そのものにも、食塩摂取量が影響します。本邦では1日当たりの食塩摂取量について、「日本人の食事摂取基準(2015年版)」では男性8g未満/女性7g未満2)、「高血圧治療ガイドライン(2014)」では男女ともに6g未満3)とすることが推奨されています。

 パンやうどんなどに入っている塩分についての認識はなかなかされていないと思われます。「6枚切りの食パン1枚にバターを塗ると、それだけで食塩量は約1g」「麺類は製造過程で塩が入っている。うどんよりはそばの方が少ない」などの豆知識がございます。

 また、スポーツ飲料やカップ麺などの成分表示が、ナトリウム表示となっているものが多くあると思います。「食塩量(g)=ナトリウム量(g)×2.5」であることは重要で、思わぬところに入っている塩分に気づいて頂ければ幸いです。

 ちょっとした工夫では、ケチャップは減塩におすすめの調味料、生野菜は味が薄くならないように洗ったらしっかり水気を切る、ドレッシングに粒マスタードを加えると塩分控えめでも味のアクセントになる、などの「減塩のポイント」と、ゆでた青菜は油でコーティング、鶏むね肉はゆでた後冷めるまでゆで湯につけておく、などの「作り置きのポイント」がございます。

 ちょっとした参考になれば幸いです。

■参考
1)「平成30年版高齢社会白書」.内閣府;2018.
2) 厚生労働省健康局がん対策・健康増進課栄養指導室.「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」報告書. 厚生労働省;2014.
3)日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン作成委員会.「高血圧治療ガイドライン(2014)」. 日本高血圧学会;2014.

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