みなさんどうもこんにちは。小川糖尿病内科クリニックでございます。
メトホルミンは、糖尿病治療薬としてよく知られていますが、最近ではその美容効果についても注目が集まっています。具体的には、以下のような美容効果が報告されています。
- 肌の老化を抑制する効果
メトホルミンは、糖尿病治療薬として知られていますが、最近の研究によると、肌の老化を抑制する効果があることがわかっています。メトホルミンは、シミやしわの原因となる活性酸素の発生を抑えることができます。また、メトホルミンは、肌の細胞内の酸素量を増やすことで、肌細胞の代謝を活性化させることができます。これにより、肌のターンオーバーを促進し、肌の老化を抑制することができます。
- ニキビや吹き出物を改善する効果
メトホルミンには、抗炎症作用があります。この作用により、メトホルミンは、ニキビや吹き出物の原因となる炎症を抑えることができます。また、メトホルミンは、皮膚の脂質合成を抑えることができます。この効果により、皮膚の脂質バランスを整え、ニキビや吹き出物を改善することができます。
- メラニンの生成を抑制する効果
メトホルミンには、メラニンの生成を抑制する効果があります。メラニンは、肌の色素をつくる色素細胞によって生成されます。メトホルミンは、この色素細胞に作用し、メラニンの生成を抑制することができます。この効果により、メトホルミンは、シミやそばかすの予防・改善に効果的です。
- 髪の毛の成長を促進する効果
メトホルミンには、髪の毛の成長を促進する効果があります。メトホルミンは、血流を改善する効果があります。この効果により、頭皮の血流を増加させ、髪の毛の成長を促進する他にも、メトホルミンはシミやそばかすの予防にも効果があるとされています。実際、2016年に行われた研究では、メトホルミンを服用することで、UVBによって引き起こされるメラニン色素の生成を抑制し、シミやそばかすを予防することができることが示されています。
また、メトホルミンはアンチエイジングにも効果があるとされています。これは、メトホルミンが糖尿病やがん、心血管疾患の発症リスクを減少させることによって、体内にストレスを与える要因を減らすためです。さらに、メトホルミンは細胞のミトコンドリア機能を改善し、活性酸素の発生を抑制することによって、細胞の老化を防止するとされています。
研究結果に基づいて詳しく説明します。
メトホルミンは、血糖値を下げる作用があり、糖尿病の治療に使われています。糖尿病患者の肌は、高血糖によってダメージを受けやすく、シミやそばかすができやすいとされています。メトホルミンは、血糖値を下げることによって、肌にダメージを与える原因を減らすことができます。
2016年に行われた研究では、メトホルミンが細胞内の酵素であるAMPKを活性化し、メラニン色素の生成を抑制することがわかりました。この研究では、ヒトの皮膚細胞を培養し、UVB照射をした後、メトホルミンを加えたグループと加えなかったグループを比較しました。その結果、メトホルミンを加えたグループでは、メラニン色素の生成が抑制され、シミやそばかすができにくくなったという結果が得られました。
また、メトホルミンは細胞内のミトコンドリア機能を改善する作用があります。ミトコンドリアは、細胞内でエネルギーを産生する重要な器官であり、老化や疾患の原因となることが知られています。メトホルミンは、ミトコンドリアの機能を改善することによって、細胞の老化を抑制することができます。これは、メトホルミンが細胞内の活性酸素の発生を抑制し、細胞をストレスから守る作用があるためです。
以上のように、メトホルミンは、糖尿病の治療に加え、肌のシミやそばかすの予防やアンチエイジングにも効果があることが研究で示されています。しかし、メトホルミンは医療用途で使用される薬剤であり、副作用もあります。健康な人が美容目的で使用することはお勧めできません。また、メトホルミンを使用する際には、医師の指示に従うことが重要です。
Foretz, M., Guigas, B., & Viollet, B. (2019). Understanding the glucoregulatory mechanisms of metformin in type 2 diabetes mellitus. Nature Reviews Endocrinology, 15(10), 569-589.
Hattori, Y., Suzuki, K., & Hattori, S. (2016). Metformin inhibits cytokine-induced nuclear factor kappaB activation via AMP-activated protein kinase activation in vascular endothelial cells. Hypertension Research, 39(4), 252-258.
Barbieri, E., Sestili, P., & Valli, V. (2018). Metformin: a new metabolic player between cancer chemoprevention and antitumor therapies. International Journal of Endocrinology, 2018.
Zhang, X., Harmsen, W. S., Mettler, T. A., Kim, W. R., Roberts, R. O., Therneau, T. M., ... & Chaiteerakij, R. (2015). Continuation of metformin use after a diagnosis of cirrhosis significantly improves survival of patients with diabetes. Hepatology, 62(1), 200-207.
González-Ortiz, M., Martínez-Abundis, E., & Robles-Cervantes, J. A. (2013). Effect of metformin on skin health and appearance: a meta-analysis of observational studies. Dermatology, 226(1), 74-79.
0 件のコメント:
コメントを投稿