栄養士:小川先生、今日は乳製品と健康についての最新の研究について詳しく教えていただけますか?
小川先生:もちろんです。最近の研究で、特に注目されているのが、乳製品が心筋梗塞や脳卒中のリスクをどう影響するかです。9万人以上の日本人を対象にした大規模な調査で、乳製品を多く摂取する人はこれらのリスクが低いことがわかりました。
栄養士:具体的な数字はありますか?
小川先生:はい、調査によると、男性で見ると、乳製品の摂取量が多いグループは心筋梗塞による死亡リスクが最大で22%低下しています。
栄養士:2型糖尿病や高血圧との関連はどうでしょうか?
小川先生:海外の研究でも、乳製品の摂取はこれらのリスクを低下させることが示されています。21カ国の14万人以上を対象にした調査では、乳製品を1日2回以上摂取することで、2型糖尿病のリスクが12%、高血圧が11%、メタボリックシンドロームが23%それぞれ低かったんですよ。
栄養士:乳製品の中でも、特にどの成分が影響しているのでしょう?
小川先生:ハーバード公衆衛生大学院の研究によると、乳製品に含まれる不飽和脂肪酸が、糖尿病リスクを低下させる可能性があることが示されています。これらの脂肪酸は体内で生成できないため、食事から摂取する必要があります。
栄養士:ジャンクフードをヨーグルトに置き換える効果はどのようなものですか?
小川先生:英ケンブリッジ大学の研究では、ジャンクフードの代わりにヨーグルトを食べることで、2型糖尿病のリスクが最大で28%低下することが示されています。ヨーグルトには、健康な腸内環境をサポートするプロバイオティクスが含まれているんです。
栄養士:チーズと認知機能の関係についてはどうですか?
小川先生:日本人高齢者を対象とした調査で、チーズを食べる習慣が認知機能と関連していることがわかりました。筋肉量の維持やフレイル予防にも、タンパク質が豊富な乳製品は大切です。