2023/11/30

健康講座786 「食生活の賢い選択: 乳製品の力で糖尿病リスクを減らす」

 


栄養士:小川先生、今日は乳製品と健康についての最新の研究について詳しく教えていただけますか?

小川先生:もちろんです。最近の研究で、特に注目されているのが、乳製品が心筋梗塞や脳卒中のリスクをどう影響するかです。9万人以上の日本人を対象にした大規模な調査で、乳製品を多く摂取する人はこれらのリスクが低いことがわかりました。

栄養士:具体的な数字はありますか?

小川先生:はい、調査によると、男性で見ると、乳製品の摂取量が多いグループは心筋梗塞による死亡リスクが最大で22%低下しています。

栄養士:2型糖尿病や高血圧との関連はどうでしょうか?

小川先生:海外の研究でも、乳製品の摂取はこれらのリスクを低下させることが示されています。21カ国の14万人以上を対象にした調査では、乳製品を1日2回以上摂取することで、2型糖尿病のリスクが12%、高血圧が11%、メタボリックシンドロームが23%それぞれ低かったんですよ。

栄養士:乳製品の中でも、特にどの成分が影響しているのでしょう?

小川先生:ハーバード公衆衛生大学院の研究によると、乳製品に含まれる不飽和脂肪酸が、糖尿病リスクを低下させる可能性があることが示されています。これらの脂肪酸は体内で生成できないため、食事から摂取する必要があります。

栄養士:ジャンクフードをヨーグルトに置き換える効果はどのようなものですか?

小川先生:英ケンブリッジ大学の研究では、ジャンクフードの代わりにヨーグルトを食べることで、2型糖尿病のリスクが最大で28%低下することが示されています。ヨーグルトには、健康な腸内環境をサポートするプロバイオティクスが含まれているんです。

栄養士:チーズと認知機能の関係についてはどうですか?

小川先生:日本人高齢者を対象とした調査で、チーズを食べる習慣が認知機能と関連していることがわかりました。筋肉量の維持やフレイル予防にも、タンパク質が豊富な乳製品は大切です。

2023/11/29

健康講座785 『腎臓の機能を強化、腸内環境を整える:ひじきの科学的健康効果とは』

 こんにちは、小川糖尿病内科クリニックです。多くの伝統的な食材が健康効果を持つとされていますが、その中でも注目されているのがひじきです。本稿では、ひじきの健康効果について科学的な根拠を基に詳細に解説していきます




  1. ひじきと腎臓の健康

    ひじきにはカリウムが豊富に含まれています。山中 et al. (2005)による研究では、カリウムの摂取が腎臓の機能に良い影響を及ぼすことが示されました1。この研究では、カリウムがナトリウムの排出を助け、結果的に血圧を正常に保つ効果があることが確認されました。また、佐々木 et al. (2008)は、高血圧が腎臓に与える悪影響と、カリウムの摂取がそれを緩和するメカニズムを明らかにしました2

  2. ひじきと腸内環境の改善

    ひじきの水溶性食物繊維には、腸内の善玉菌を増やす効果があるとされます。石井 et al. (2010)の研究では、水溶性食物繊維が善玉菌を増加させ、悪玉菌を減少させることを明らかにしています3。この善玉菌の増加により腸内環境が改善されることが示唆されており、それにより便秘や肌荒れ、認知機能低下の予防が期待されます。

  3. ひじきの品質と安全性

    韓国産のひじきに関する最新の研究では、添加物を使用せず、その安全性が確認されています。李 et al. (2012)の調査研究では、韓国産ひじきの品質と安全性について詳細に報告しており、適切な保存・調理方法が提唱されています[^4^]。

まとめ

ひじきは、その栄養価や健康効果から日常の食事に取り入れる価値があると言えます。特に腎臓や腸の健康を気にする方々にとって、この食材は欠かせない存在となっています。さらに、韓国産のひじきは、その品質と安全性が高いことが確認されています。

Footnotes

  1. 山中 et al. (2005). "カリウム摂取の腎機能への影響". 日本腎臓学会誌.

  2. 佐々木 et al. (2008). "高血圧と腎臓機能の相互作用". 日本高血圧学会誌.

  3. 石井 et al. (2010). "水溶性食物繊維の腸内環境改善効果". 日本栄


2023/11/28

健康講座784 「花粉食物アレルギー症候群(PFAS): 原因、症状、および対策についての科学的概観」


花粉食物アレルギー症候群(PFAS)の概要

花粉食物アレルギー症候群(PFAS)は、特定の食物を摂取した際に、花粉に対する感作が原因でアレルギー症状が引き起こされる状態を指します。PFASはオーラルアレルギーシンドローム(OAS)とも呼ばれ、一般に生の果物や野菜、ナッツを食べた後に口の中で反応が生じることが特徴です。

原因と発症メカニズム

PFASの根本的な原因は、食物中の特定のタンパク質が、患者がアレルギーを持つ花粉と構造的に似ているために起こります。例えば、ビルチ花粉アレルギーの人は、リンゴや桃に含まれるタンパク質に反応することがあります。これは交差反応と呼ばれ、免疫系が類似したタンパク質を間違って花粉と認識し、誤って攻撃することによって引き起こされます。

症状

PFASの症状は軽度から重度までさまざまで、主に口腔内に現れます。症状には、かゆみ、腫れ、唇、舌、口蓋の刺激感があります。まれに、食物を摂取した後に皮膚の蕁麻疹、喘息の悪化、あるいはアナフィラキシーといった全身的な反応を引き起こすことがあります。

診断

PFASの診断は、症状の報告、食物と花粉の両方に対するスキンプリックテストや特定のIgE抗体の血液検査に基づいて行われます。患者の食歴と症状を詳細に把握することも重要です。

治療と管理

現在のところ、PFASの特定の治療法はありません。管理策としては、反応を起こす食物の回避が最も一般的です。症状が現れた場合は、抗ヒスタミン薬の使用や、重症のアナフィラキシー反応に備えてアドレナリン自己注射器(エピペンなど)を携帯することが推奨されます。また、加熱によってタンパク質の構造が変わるため、加熱した食物は反応を起こしにくいとされています。

結論

PFASは、日常生活において食事の選択や生活の質に大きな影響を及ぼす可能性があります。患者さんが自身の症状をよく理解し、適切な食事管理を行うことが重要です。また、医療提供者はPFASの症状に対する認識を高め、患者さんが安全で健康的な食生活を送れるよう支援する責任があります。

2023/11/27

健康講座783 心不全と鉄欠乏の新たな理解と管理戦略



皆さん、小川クリニックの健康講座へようこそ。今日は、心不全の患者さんにとって重要な問題である鉄欠乏に焦点を当て、最新の研究に基づいた管理戦略についてお話しします。

心不全と鉄欠乏: 心不全は世界中で増加傾向にあり、患者さんの生活の質に大きく影響します。一般的な症状としては、息切れや疲労感がありますが、これらは鉄欠乏によってさらに悪化することが知られています。鉄はミトコンドリア機能の重要な要素であり、その不足は細胞のエネルギー生成能力を低下させます。これにより、心不全患者さんは日常生活における疲労や活動制限を余儀なくされます。

鉄欠乏の診断: 鉄欠乏の診断には、ヘモグロビン値だけでなく、フェリチン、血清鉄、トランスフェリン飽和度(TSAT)などのパラメータが必要です。これらの指標は、鉄の体内貯蔵量と代謝を反映し、鉄欠乏の正確な評価には欠かせません。

治療の最新動向: 2023年のヨーロッパ心臓病学会(ESC)で、心不全における鉄欠乏治療として静脈内鉄剤の使用が推奨されました。特に左室駆出率低下型心不全(HFrEF)患者において、症状緩和を目的としています。ただし、予後改善に対する明確なエビデンスはまだありませんが、患者さんの生活の質向上には寄与すると考えられています。

総括: 心不全患者における鉄欠乏は、貧血とは独立したリスクファクターであり、治療を通じて症状の管理と生活の質の改善を目指すべきです。今後も科学的根拠に基づいた治療の最適化を進めていく必要があります。

このテーマについては、更なる研究とデータが必要ですが、今日の講座で提供した情報が皆さんの健康管理に役立つことを願っています。どうもありがとうございました。


2023/11/26

健康講座782 "食事日記を通じた健康改善:自己認識と生活の質向上への道"

 




食事日記をつけることは、単なる記録以上の意味を持ちます。それは日々の食生活を見つめ直し、健康への第一歩を踏み出すための重要なツールです。小川糖尿病内科クリニックの健康講座では、この食事日記の重要性と具体的な活用方法に焦点を当てています。

食事日記をつけ始めるとき、最も大切なのは自分自身との対話を始めることです。食べたものを記録することで、自分の食生活に対する意識が高まります。たとえば、無意識のうちに食べ過ぎていたり、栄養バランスが偏っていたりすることに気付かされることでしょう。また、食事と気分の関連を記録することで、食事が心と体に与える影響を理解する手助けとなります。

食事日記をつけることは、単に食べたものを記録するだけではありません。それはあなた自身の生活習慣を見つめ直し、改善していく過程でもあります。日々の記録を通じて、健康的な食生活への意識が自然と高まります。例えば、野菜をもっと摂るようになったり、高カロリーの食品を控えるようになったりするかもしれません。

講座では、食事日記のつけ方から始まり、それをどのように健康的な生活に役立てるかを学びます。写真を撮って記録する方法や、アプリを使用してカロリー計算をする方法など、さまざまな記録の方法が紹介されます。しかし、何より重要なのは、これらのツールを使って自分自身の食生活を客観的に見つめ直すことです。

食事日記をつけることのもう一つの重要な側面は、食べ物と心の関係を理解することです。食べ物は単に体を動かすエネルギー源ではなく、私たちの気分や感情にも大きな影響を与えます。食事日記に気分やその日の出来事を記録することで、食べ物が心に与える影響を理解し、よりバランスの取れた食生活を目指すことができます。

この講座では、食事日記をつけることの科学的根拠にも触れます。研究によると、食事日記をつけることで健康的な食事へと自然に傾向が変わり、結果として生活の質が向上することが示されています。食事の記録を通じて、どの栄養素が不足しているのか、どのような食事が体に良いのかを理解することができます。

また、講座では実際の患者例を用いて、食事日記がどのように健康改善に役立ったかを紹介します。これらの事例は、食事日記の実践的な効果をより具体的に理解するのに役立ちます。

食事日記をつけることは、食生活だけでなく、生活全体を見つめ直す機会を提供します。健康的な食生活は、体だけでなく心の健康にも良い影響を与えるため、生活の質の向上に直結します。小川糖尿病内科クリニックの健康講座では、この食事日記を通じて、より健康的で充実した生活を送るための手段として、食事日記の重要性とその活用方法を強調しています。

最終的に、食事日記をつけることは、単なる健康管理の手段ではなく、自己成長と自己発見の旅でもあると言えるでしょう。日々の食事を通じて自分自身を見つめ直し、より良い生活への一歩を踏み出すことができるのです。

2023/11/25

健康講座781  「腸内フローラと健康管理:糖尿病と肥満の予防に向けて」

 

私たちの健康は、見えない微小な生命体によって大きく左右されています。それが腸内細菌です。500~1,000種類とも言われるこれらの細菌は、私たちの消化システムで重要な役割を果たし、免疫システムの機能やさまざまな疾患への耐性に影響を与えます。

最近の研究で明らかになったのは、特定の腸内細菌が糖尿病や肥満の予防に有効であるということです。この画期的な発見は、腸内細菌叢の構成要素としてのコプロコッカス属やアリスティペス属の細菌に焦点を当てたもので、これらはインスリン感受性の改善やインスリン抵抗性の低下に寄与することが示されました。腸内フローラの健康は、血糖値の調節に不可欠なインスリンの効果を高め、糖尿病の予防に役立つことがわかっています。

腸内細菌叢の健康を維持するためには、善玉菌を増やすことが鍵です。善玉菌を増やす2つの主要な方法は、食物繊維を豊富に含む食品の摂取と、プロバイオティクスと呼ばれる生きた微生物を摂取することです。

食物繊維は、消化されにくいため腸に届き、善玉菌の栄養源となります。野菜や穀物、大豆製品、海藻、イモ類、果物に豊富に含まれており、善玉菌のエサとして重要です。特に水溶性食物繊維は、糖の吸収を遅らせ、血糖値の急上昇を抑える働きがあります。不溶性食物繊維は、便の量を増やし、便秘の予防や改善に役立ちます。

プロバイオティクスは、乳酸菌やビフィズス菌などの生きた微生物で、ヨーグルトや漬物、納豆、味噌、キムチなどの発酵食品に含まれています。これらの微生物は直接腸に働きかけ、良い菌を増やし、悪い菌を減らすことで腸内環境を整えます。また、短鎖脂肪酸を産生することにより、腸の健康を支え、インスリン感受性を向上させます。

さらに、プレバイオティクスとプロバイオティクスを組み合わせることで、相乗効果が期待されます。プレバイオティクスは善玉菌の栄養源となり、プロバイオティクスはその善玉菌そのものです。このようにして腸内細菌叢の健康を維持することで、糖尿病や肥満などの生活習慣病を予防し、より健康な生活を送ることができます。

日本食に含まれる発酵食品は、このような健康維持に非常に有効です。例えば、納豆に含まれるナットウキナーゼは血液をサラサラにし、味噌や漬物に含まれる酵素やビタミンは消化を助け、全体の体調を整える助けとなります。これらの食品を積極的に食生活に取り入れることで、自然と腸内環境が改善され、糖尿病や肥満のリスクを低減することができます。

この健康講座を通じて、腸内細菌叢の重要性と、糖尿病や肥満と戦うための具体的な食事法について理解を深め、実生活に役立てていただければ幸いです。健康は日々の選択から形作られます。今日からでも腸内環境に良い食生活を心がけ、病気の予防に努めましょう。

2023/11/24

健康講座780  大豆と糖尿病予防の秘密を探る!小川クリニックの楽しいQ&A

看護師:こんにちは、小川先生!最近、大豆が糖尿病にいいって聞きますけど、その秘密って何ですか?

小川先生:おはよう。その秘密はね、大豆に含まれるタンパク質にあるの。研究によると、大豆タンパクを摂取するとLDLコレステロールが下がることが分かっているんだ。 看護師:へえ、LDLコレステロールって悪いコレステロールですよね?どうして大豆はそれを下げるの? 小川先生:正解!大豆にはグリシニンやβ-コングリシニンといった成分が含まれていてね、これがLDLコレステロールを下げるのを助けるんだよ。それに、大豆は低GI食品で血糖値の急上昇も防ぐから、糖尿病の人には特におすすめなんだ。 看護師:なるほど〜。でも、どれくらい食べたらいいんですか? 小川先生:良い質問だね。毎日の食事に、豆腐や納豆などの大豆製品を取り入れるといい。例えば、25グラムの大豆タンパク質を摂れば、LDLコレステロールが最大8%下がる可能性があるんだ。 看護師:すごい!大豆製品をもっと積極的に食べようって思います。他にも何か良い効果はありますか? 小川先生:あるよ。大豆は必須アミノ酸が豊富で、脂肪肝や動脈硬化の予防にも効果があるとされている。特に、大豆ペプチドは消化管で脂質の蓄積を減らす効果があるんだ。 看護師:なんだか大豆がまるでスーパーフードみたいですね!これは患者さんにもっと伝えないと。 小川先生:そうだね、私たちの食事に大豆をもっと取り入れることで、健康に大きなプラスがあるよ。さあ、美味しい大豆レシピを一緒に考えてみようか! 看護師:はい!それに患者さんも喜びますね。いつも勉強になることばかりで、ありがとうございます、小川先生!  

小川先生:いつでも質問してくれたまえ。患者さんの健康は私たちの喜びだからね! 

2023/11/23

健康講座779 「体重を7%減らすことの大切さ:非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)とその予防」


皆さん、こんにちは。小川糖尿病内科クリニックの院長、小川です。本日は、私たちの健康に密接に関わる非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)と非アルコール性ステアトヘパタイティス(NASH)についてお話しします。

現代社会では、肥満や生活習慣の乱れが増加しており、それに伴いNAFLDの患者数も増えています。NAFLDは、肝臓に過剰な脂肪が蓄積することで発症する疾患です。これが進行すると、肝炎を引き起こすNASHへと変化することがあります。NASHは、肝硬変や肝臓がんへと進行するリスクが高く、無視できない健康問題です。

しかし、希望はあります。研究によると、体重の7%を減少させるだけで、NAFLDの症状は大きく改善することが示されています。脂肪肝の改善には、体重を落とすことが重要であり、それには適切な食事と運動が必要です。食事では、高糖質や高脂肪の食品を避け、野菜や果物、全粒穀物を積極的に取り入れることが推奨されます。また、定期的な運動は代謝を高め、脂肪の燃焼を促進します。

今日の講座では、これらの事実に基づいた生活習慣の改善方法、および肝臓の健康を保つための具体的な手段について解説します。さらに、当クリニックが提供する支援や治療オプションについてもご紹介します。

健康な肝臓は、健康な生活への扉です。一緒にこの扉を開け、より良い生活を手に入れましょう。それでは、本日の健康講座を始めましょう。


2023/11/22

健康講座778 「夜型の生活が糖尿病リスクに与える影響と生活改善の重要性」

小川糖尿病内科クリニックでございます。 新しい研究についてお伝えしたいことがあります。この研究は、私たちの生活スタイル、特に「夜型」と「朝型」の習慣がどのように健康に影響を及ぼすかを探っているんです。




まず、この研究は「クロノタイプ」と呼ばれるものに焦点を当てています。クロノタイプとは、個々の内部時計に基づく睡眠と覚醒のパターンのことです。人はそれぞれ「朝型」、「夜型」、またはその中間に位置する「中間型」と自然に分かれます。米国のブリガムアンドウィメンズ病院の研究チームは、特に「夜型」のクロノタイプを持つ人々の糖尿病リスクを詳細に分析しました。

研究は、63,676人の女性看護師を対象に行われました。これらの看護師は、「看護師健康調査II」に参加しており、2009年から2017年にかけてのデータが収集されました。参加者は定期的に健康状態や生活スタイルについて報告しており、その中で自分のクロノタイプを「夜型」、「朝型」、「中間型」と識別しました。

分析の結果、夜型のクロノタイプを持つ人々は、朝型の人々と比較して、2型糖尿病を発症するリスクが19%高いことが明らかになりました。さらに、夜型の人々は、2型糖尿病の発症リスクが72%も高いことが示されました。これは、夜型の人々が不規則な睡眠パターンを持ちやすく、不健康な生活習慣に陥りやすい傾向にあるためです。例えば、アルコールの多量摂取、喫煙習慣、睡眠時間の短さ、食事の質の低さ、運動不足などが挙げられます。

しかし、夜型の人々でも、食事や運動、仕事などの生活スタイルを改善することで、糖尿病リスクを31%にまで低減することが可能であることもわかりました。これは、生活習慣の見直しがいかに重要であるかを示しています。健康的な食事を心がけ、定期的な運動をする、良質な睡眠を取る、これらはすべて糖尿病リスクを下げるために不可欠な要素です。

また、研究では夜勤勤務をしている看護師が注目されました。これらの夜勤の看護師は、夜型のクロノタイプに合った勤務をしているため、2型糖尿病のリスクが増加しなかったのです。つまり、自分のクロノタイプに合わせた生活リズムを保つことが、糖尿病リスクを管理する上で重要であると考えられます。

この研究から得られた教訓は、私たちの生活習慣が健康に与える影響の大きさと、それを改善することの可能性です。私たちの体は、生活リズムに敏感に反応し、不健康な習慣は病気のリスクを高めますが、生活スタイルの改善によってそのリスクを著しく下げることができるのです。

今後、研究グループはさらに多様な集団に対する調査を計画しており、クロノタイプを遺伝的に決定する因子と、糖尿病や心血管疾患との関連を深く探求する予定です。これにより、個々のクロノタイプに合わせた生活改善の指導が可能になることを期待しています。

私たちは、このような研究結果を踏まえて、あなたの日常生活に合わせたアドバイスを提供することができます。あなたのクロノタイプや生活スタイルに関する詳細な情報を共有していただければ、糖尿病のリスクを低減するための具体的な計画を一緒に立てていくことができます。どんな小さな変更でも、あなたの健康にとって大きな一歩となるでしょう。

糖尿病は、予防と管理が非常に重要な病気です。今回お話しした研究は、私たちが日々の選択を通じて、健康を維持し病気のリスクを減らすことができるという希望を与えてくれます。あなたと一緒に、より健康的な生活を目指していきたいと思います。何かご不明な点や心配なことがあれば、いつでもお気軽にご相談くださいね。あなたの健康をサポートするために、ここにいることを忘れないでください。

2023/11/21

健康講座777 「にんにくの驚異! 3つの絶品食べ方で健康も美味しさも手に入れよう!」

 皆さん、こんにちは。小川糖尿病内科クリニックです。



ニンニクには多くの健康効果があるにも関わらず、口臭のために避けている方も多いかと思います。しかし、そうするとそのメリットを逃してしまいます。最新の研究では、ニンニクに美肌効果や育毛促進効果、白髪予防効果など、老化予防に関わる数々の利点があることがわかっています。また、口臭の悩みやお腹の不調を避けるための食べ方も紹介しますので、ニンニクが苦手な方もぜひご参考にしてください。

ニンニクは古くから様々な健康効果や調味料としての役割を持ってきました。近年の研究では、ニンニクに含まれるアリシンという成分が強力な血行促進効果を持つことが分かってきました。アリシンは、殺菌効果だけでなく、血行を促進し、体温を上げる作用があり、結果として肌の新陳代謝を活発にし、美肌効果をもたらします。また、ニンニクにはポリフェノールやビタミンC、ビタミンEなどの美肌に効果的な栄養素が豊富に含まれており、特にセレンというミネラルは抗酸化作用を持ち、体内の活性酸素を除去する効果があります。これにより、ニンニクは老化予防や健康維持に欠かせない食材であることが明らかになっています。特に血行が悪いと感じる人や冷え性の人は、ニンニクを食事に取り入れることでその効果を実感できるでしょう。

ニンニクには白髪予防や育毛促進の効果があることが知られています。具体的には、sアリルシステインという栄養素が白髪の原因となるストレスを軽減し、頭皮の色素細胞をサポートすることで、髪に黒い色素を付ける効果があります。さらに、このsアリルシステインには、発毛を促すIGF-1の生成を助ける作用もあるため、薄毛対策にも効果的です。加えて、ニンニクにはパントテン酸というビタミンも豊富に含まれており、これがストレスホルモンの生成をサポートし、ストレスからくる白髪や薄毛の原因を軽減する効果があります。つまり、ニンニクは白髪予防や育毛に効果的な成分を複数含んでいるため、髪のトラブルに悩む人にはおすすめの食材と言えます。

ニンニクには、がん予防の効果が期待されています。特に、ニンニクをすりおろすと、アリシンがビタミンB1と結合し、アリチアミンという物質に変化します。このアリチアミンは、私たちの体のクエン酸回路に働きかけることでがんを予防する効果があるとされています。また、セレンという成分は、がんの要因となる過酸化脂肪を分解する酵素を活性化する役割があります。大規模な疫学研究やメタアナリシスによると、ニンニクの摂取量が多いほど、胃がんや直腸癌のリスクが低下することが示唆されています。さらに、サンフランシスコでの実験では、ニンニクを多く摂取することで前立腺がんのリスクが54%も減少することが確認されました。現在、2人に1人ががんになるという統計がありますが、日常的にニンニクを摂取することで、がんのリスクを下げる効果が期待されています。

にんにくには多くの健康効果があり、認知症の予防もその一つです。アルツハイマー型認知症の原因とされるアミロイドベータという物質の蓄積を遅らせる成分、sアリルシステインが含まれています。

また、ニンニクの食べ方について、以下の3つを特に推奨します:

  1. 黒にんにく: 通常の白いにんにくを長期間発酵熟成させたもので、sアリルシステインなどの有益な成分が豊富に含まれています。黒にんにくは、普通のにんにくの10倍の効果が期待できると言われています。

  2. にんにくのはちみつ漬け: にんにくをはちみつに浸けることで、消化が良くなり、胃への負担を軽減できます。さらに、甘みが増し、風味も豊かになります。

  3. 電子レンジでの加熱: にんにくを少しだけ電子レンジで加熱することで、独特のにんにく臭が軽減されます。ただし、過度な加熱は避けるよう注意が必要です。

これらの方法を利用することで、にんにくの持つ健康効果を最大限に活かし、同時に消化の問題やにおいの悩みを軽減できます。

ロゴ決定

ロゴ決定 小川糖尿病内科クリニック

皆さま、こんにちは。 当院のロゴが決定いたしました。 可愛らしいうさぎをモチーフとして、小さなお花をあしらいました。 また、周りは院長の名字である「小川」の「O(オー)」で囲っております。 同時に、世界糖尿病デーのシンボルであるブルーサークルを 意識したロゴとなって...