みなさんこんにちは!今回は、Lp(a)(読み方:エルピーエー)についてご説明します。
1. Lp(a)って何?どうして気になるの?
1.1 まずは“仲間”から
Lp(a)は、わかりやすく言うと、**「悪玉コレステロール(LDL)に変身したコレステロール」**です。
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普段よく耳にする**LDL(エル・ディー・エル)**は、いわゆる“悪玉コレステロール”。
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それに、**apo(a)という特別なタンパクがくっつくと、さらに悪さをするLp(a)**に変化します。
だから「LDLだけで心配するのではなく、Lp(a)もセットで気にした方がいいですよ」というわけです。
1.2 なぜ心配?その理由
Lp(a)は次のような働きをします:
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血管の壁にコレステロールを溜めやすい!
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血の塊(血栓)ができやすくする!
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これは、普段の体の中にある「血の塊を溶かす仕組み」に干渉して、血が固まりやすくなるんです。
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だから、心筋梗塞や脳卒中みたいな怖い病気につながりやすい。
2. Lp(a)は普通の検査でわからない?どうやって測るの?
普段の健診でLDL測りますよね。でも、Lp(a)は別の特別な検査なんです。
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メニューに「Lp(a)測定」って項目があるか、病院に聞いてください。
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測るのは基本的に一回きりでOK!
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なぜなら、Lp(a)は生まれてからほぼほぼ変わらないから。
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特におすすめの方は:(はじめから誰でも保険で測れるものではないです)
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若くして心筋梗塞・脳卒中になった人
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ご家族にそういった人がいる方
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LDLが高いのに薬を飲んでも下がりにくい人
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3. Lp(a)の数字ってどうみる?
血液検査の結果には数字が出ます。Lp(a)も同じです。
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30mg/dL以下 → 通常の範囲(気にしなくて良い)
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30〜50mg/dL → ちょっと高め(注意ゾーン)
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50mg/dL以上 → 高い!要注意!
※ mg/dLは血液中の濃度の単位で、“mg”が重量、“dL”が100mL(ミリリットル)を指します。
4. なぜ高いと困るの?
通常のLDLだって危ないのに、さらにLp(a)が高いとどうなるでしょう?
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血管の壁にコレステロールがぐんぐんたまります → 血管が狭くなる(動脈硬化)
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血液中に血の塊ができやすくなる → 狭くなった血管に血のかたまりが詰まって… → 心筋梗塞や脳卒中に直結。
つまり、**LDL+Lp(a) がセットで高いと、ダブルパンチでリスクUP!**するんです。
5. Lp(a)は遺伝でほぼ決まる
健康診断でコレステロールを調べても、Lp(a)を下げる生活習慣ってあまり効果がないのが現状です。
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食事・運動・禁煙などを頑張っても、 Lp(a)はほとんど変わらない特徴があります。
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それは、生まれつき血液中のLp(a)量が決まっていて、ほとんど変化しないからです。
6. Lp(a)をどうやって下げる?
6.1 今使える薬(けっこう限られている)
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スタチン:LDLを下げるのに有効ですが、Lp(a)にはほとんど効果がありません。
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エゼチミブ:少し(数%)Lp(a)を減らす可能性あり。
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ニアシン(ビタミンB3):Lp(a)を20〜30%減らす報告もありますが…
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副作用が大きい(ほてり、かゆみ、肝臓の負担など)
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日本では推奨されていません
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6.2 新しめの薬(PCSK9阻害薬)
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エボロクマブやアリロクマブという注射タイプの薬で、
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Lp(a)を20〜30%くらい減らす効果があります。
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ただし、日本では現状「LDLを下げるための薬」として承認されていて、
Lp(a)用では使えないのが現状です。
6.3 今後に期待の最先端薬(RNA医薬)
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次世代の薬で、体の中の設計図(mRNA)を狙い撃ちしてLp(a)を70〜80%も減らすタイプです。
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Pelacarsen(アンチセンス薬)
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Olpasiran, SLN360(siRNA薬)など
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臨床試験で効果が確認されており、2020年代後半〜2030年代には実用化の可能性大!
6.4 とっても高い人向け:アフェレーシス(治療法)
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血液の中からLp(a)だけを取り除く方法で、週1〜2回の通院治療です。
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めったに実施されない方法ですが、
**Lp(a)がめっちゃ高い人に効果あり!**とされています。
7. 今すぐできることは?
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まずは検査して、自分のLp(a)を知る!(検査できるかは医療機関に要確認)
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LDLは今のうちにしっかり下げておく!(スタチンなどで)
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その他の生活習慣改善(食事・運動・禁煙・血圧・体重管理など)も基本
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最新治療の登場を見据えておく!
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実用化されたら、Lp(a)に合わせた治療選択も可能になります。
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8. 専門用語や単位もやさしく!
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LDLコレステロール:「悪玉コレステロール」。血管に溜まりやすい。
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Apo(a):「Lp(a)だけにくっついている特別なタンパク」
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スタチン:コレステロールを下げる代表的な薬
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PCSK9阻害薬:注射で効く新しいコレステロール薬
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アンチセンス薬・siRNA薬:遺伝子の設計図を止めてLp(a)をガツンと減らす薬
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アフェレーシス:Lp(a)だけを機械で取り除く血液治療
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血栓:血液中でできる“血のかたまり”。詰まると心筋梗塞や脳卒中に
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アテローム性動脈硬化(ASCVD):血管が硬くなって、血の道が狭くなる病気
9. 最後に―これからの健康管理
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一度はLp(a)を測っておくとよいかも
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LDLはしっかり下げる(スタチンを中心に)
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Lp(a)が高ければ、将来出る薬が選択肢に!
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生活習慣は基本中の基本!
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自分の血管がどんな状態か、定期的な検診と相談が大切
皆さんがご自身やご家族の健康を守るための、第一歩になるように願っています。
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