そもそもマンジャロとウゴービはどんな薬?
マンジャロとウゴービは、どちらも週1回注射して使う薬です。食欲を抑えたり、満腹感を保ちやすくしたり、血糖値を整えたりする作用があります。
マンジャロは「チルゼパチド」、ウゴービは「セマグルチド」という成分が使われており、仕組みには違いがありますが、どちらも食事量を自然に減らし、体重や血糖の改善を目指す薬です。
ただ、効果がある一方で、吐き気や便秘、下痢などの症状が出ることがあります。
さて、今日はマンジャロとウゴービを使うときに知っておきたい「副作用」について、よくある症状から、早めに医療機関へ相談したほうがよい症状まで、まとめて説明します。
マンジャロやウゴービを始めるとき、「体重は減らしたいけれど、副作用が心配です」とおっしゃる方は少なくありません。
実際に、これらの薬で多いのは、吐き気や食欲低下、下痢、便秘などの胃腸症状です。ただし、症状が出たからといって、必ずしも薬が合っていないとは限りません。薬の量を増やす時期に一時的に症状が出て、体が慣れるにつれて落ち着いてくることもあります。
一方で、「これくらいなら我慢しなければ」と無理をしてしまうのもよくありません。大切なのは、副作用を我慢し続けることではなく、効果と体調のバランスを見ながら治療を進めることです。
マンジャロとウゴービは、なぜ副作用が出るのか
マンジャロとウゴービには、食欲を抑えたり、満腹感を保ちやすくしたり、胃から腸へ食べ物が移動する速度をゆっくりにする作用があります。
そのため、食事量を自然に減らしやすくなる一方で、
少し食べただけでお腹がいっぱいになる
胃がもたれる
吐き気がする
食べ物が胃に残っている感じがする
便秘や下痢になる
といった症状が出ることがあります。
つまり、治療上期待している作用と、副作用として感じる症状は、完全に別物というわけではありません。
よくみられる副作用
代表的な副作用は、マンジャロとウゴービで大きくは変わりません。
| 症状 | マンジャロ 15mg群 | ウゴービ 2.4mg群 |
|---|---|---|
| 吐き気 | 約31% | 約44% |
| 下痢 | 約23% | 約30% |
| 便秘 | 約12% | 約24% |
| 嘔吐 | 約12% | 約25% |
この数字は、それぞれの臨床試験で、投与期間中に一度でも症状が報告された人の割合です。症状が何カ月も続いた人の割合ではありません。
また、マンジャロとウゴービでは、試験の参加者や投与期間などの条件が異なります。そのため、この数字だけを見て「どちらの薬が副作用が少ない」と単純に比較することはできません。
ウゴービの試験では、吐き気や便通異常のほか、疲労感、頭痛、めまいなども報告されています。
副作用は、始めた直後や増量後に出やすい
マンジャロもウゴービも、最初から多い量を使うのではなく、少ない量から始めて、体調を確認しながら少しずつ増量します。
マンジャロは通常、2.5mgから開始し、4週間以上あけて増量します。ウゴービも0.25mgから始め、数週間ごとに段階的に増量します。
副作用は、薬を始めたばかりの時期や、量を増やした直後に出やすい傾向があります。
増量後に少し吐き気がある程度なら、数日から数週間で落ち着くこともあります。しかし、食事や水分がほとんど取れない場合は、次の増量を延期したり、量を戻したりすることがあります。
「予定通りに増量すること」よりも、「その人の体調に合った量で続けること」のほうが大切です。
吐き気があるときの過ごし方
吐き気があるときは、無理に一人前を食べようとしないことが大切です。
一度にたくさん食べるのではなく、少量を何回かに分け、ゆっくり食べるようにしてください。脂っこい料理、揚げ物、香辛料の強いもの、甘いものなどで症状が悪化する場合もあります。
「満腹になるまで食べる」のではなく、「もう少し食べられそう」というところで止めるくらいがよいでしょう。
水分も一度に大量に飲むと気持ち悪くなることがあります。少しずつ、こまめに飲むようにしてください。
下痢や便秘があるとき
下痢が続く場合は、水分だけでなく塩分などの電解質も失われます。水やお茶だけでなく、状態によっては経口補水液などが必要になることもあります。
ただし、心臓や腎臓の病気などで水分制限がある方は、自己判断で大量の水分を取らないでください。
便秘の場合は、水分、軽い運動、野菜や海藻などを無理のない範囲で取り入れます。ただし、強い腹痛やお腹の張り、吐き気を伴う便秘は、単なる便秘ではない可能性もあります。
便秘薬や吐き気止めを自己判断で長く使うのではなく、症状が続くときは処方医に相談してください。
だるさや疲れを感じるとき
薬を始めると食事量が減るため、摂取カロリーやたんぱく質が不足し、だるさを感じることがあります。
体重を早く減らしたいからといって、食事を極端に減らすのはおすすめできません。少量でも、肉、魚、卵、大豆製品などのたんぱく質を意識して取るようにしてください。
だるさが強い場合は、脱水、低血糖、貧血、睡眠不足など、薬以外の原因が隠れていることもあります。
すぐに医療機関へ相談してほしい症状
次のような症状がある場合は、次の注射を自己判断で続けず、早めに処方医へ連絡してください。
強い腹痛や繰り返す嘔吐
みぞおちから上腹部にかけて、持続する強い痛みがある場合は、急性膵炎の可能性があります。背中に痛みが響く、嘔吐を伴うといった場合は、すぐに受診してください。
水分が取れない、尿が極端に少ない
下痢や嘔吐が続くと、脱水から急性腎障害につながることがあります。
ほとんど尿が出ない
立つとふらつく
口の中が強く乾く
水分を飲んでも吐いてしまう
このような場合は、早めの受診が必要です。
強い便秘、お腹の張り、腹痛、嘔吐
便が出ないだけでなく、お腹が張って苦しい、痛みが続く、吐いてしまうという場合は、腸閉塞などの可能性があります。市販の便秘薬で様子を見続けないでください。
冷や汗、手の震え、動悸、意識がぼんやりする
低血糖の症状かもしれません。特に、インスリンや一部の糖尿病薬を併用している方は注意が必要です。
低血糖への対応は、普段から主治医に確認しておきましょう。
息苦しさ、顔や唇、喉の腫れ
発疹やじんましんに加えて、息苦しさや顔・喉の腫れがある場合は、重いアレルギー反応の可能性があります。救急受診が必要です。
目がかすむ、視力が急に変わった
糖尿病の方では、血糖値が急に改善することで糖尿病網膜症に影響することがあります。見え方に変化があれば、早めに相談してください。
マンジャロとウゴービ、どちらが安全なのか
マンジャロとウゴービは、どちらも副作用の中心は胃腸症状です。
マンジャロはGIPとGLP-1の両方に作用し、ウゴービはGLP-1に作用します。薬の仕組みは異なりますが、「マンジャロなら副作用がない」「ウゴービなら必ず吐き気が出る」ということではありません。
同じ薬でも、吐き気が強く出る人もいれば、ほとんど症状がない人もいます。体格、食事量、糖尿病の有無、腎臓や胃腸の状態、併用薬などによっても変わります。
薬を選ぶときは、体重の減り方だけでなく、無理なく続けられるかどうかも大事な判断材料になります。
副作用が出たら、我慢ではなく相談を
マンジャロやウゴービは、ただ体重を減らすためだけの薬ではありません。食欲や血糖、体重、生活習慣全体を見ながら使う治療薬です。
少し吐き気がある、食事量が減ったという程度なら、食べ方や量を調整することで対応できることがあります。
一方で、食事や水分が取れない、痛みが強い、症状が何日も続くという場合は、薬の量や増量のタイミングを見直す必要があります。
副作用は「我慢できるかどうか」だけで判断するものではありません。症状が出たときは、次の注射や増量を自己判断で進めず、処方医に相談してください。
副作用をゼロにすることよりも、体調を崩さず、必要な治療を安全に続けられることが大切です。
※この記事は、マンジャロ・ウゴービの副作用について一般的な情報をまとめたものです。実際の使用量や休薬、増量の判断は、診察を担当する医師の指示に従ってください。
参考資料:マンジャロの副作用について、ウゴービの副作用について、マンジャロ添付文書(PMDA)、ウゴービ添付文書(PMDA)
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