2019/10/07

健康講座117~糖尿病発症前からの影

こんにちは。

小川糖尿病内科クリニック院長小川義隆です。

 新たに糖尿病や前糖尿病と診断された人たちでは、診断の10年以上も前から空腹時血糖値(FPG)異常やインスリン抵抗性の増大といった糖尿病の徴候がみられることが、相澤病院(長野県)糖尿病センターの提坂浩之氏と同顧問の相澤徹氏、同病院健康センターの小池秀夫氏らの研究グループの検討で分かった。糖尿病の発症を防ぐには、これまで考えられていた以上に早期からの介入が必要であることが示唆された。研究の詳細は欧州糖尿病学会(EASD 2018、10月1~5日、ベルリン)で報告され、論文は「Journal of the Endocrine Society」5月号に掲載された。
 
 研究グループは今回、2005~2016年に健診でFPGやHbA1c値を測定した成人男女2万7,392人を対象に、後ろ向きに平均で5.3年間追跡した。この期間中に新たに糖尿病やいわゆる境界型を指す「前糖尿病」と診断された人たちについて、10年前までさかのぼってFPGやBMI、インスリン抵抗性指数を調べた。
 
 追跡期間中に糖尿病を発症した人は1,061人、前糖尿病を発症した人は4,781人であった。解析の結果、糖尿病を発症した人では、発症しなかった人に比べて10年前の時点で平均FPG値とBMIが有意に高く(FPG:101.5mg/dL対94.5mg/dL、BMI:24.0対22.7、P<0.01)、インスリン抵抗性指数は有意に低い(7.32対8.34、P<0.01)ことが分かった。また、前糖尿病になった人でも、ならなかった人に比べて10年前の時点でFPGとBMIが有意に高く、インスリン抵抗性が増大していた。
 
 2型糖尿病を発症する人の多くは、徐々に血糖値が悪化して糖尿病の前段階というステップを踏むため、実際には糖尿病と診断される20年以上も前にその徴候が現れると考えられるという。糖尿病の発症を防ぐには、耐糖能障害になってからの生活習慣への介入では、長期間観察すると介入効果がかなり逓減すると報告された。真に効果的な糖尿病予防のためには、前糖尿病になる以前から、さらに早期の介入が必要かもしれない。

2019/10/06

PV24000

こんにちは。

小川糖尿病内科クリニック院長小川義隆です。

PV24000達成となりました。

今後ともよろしくお願いいたします。


インフルエンザ予防接種の総予約数も600件を超えております。

今年は2500円で接種しておりますので予約お待ちしております。


2019/10/05

健康講座116~禁煙後の口さみしさ

こんにちは。

小川糖尿病内科クリニック院長小川義隆です。

 紙巻きタバコが体に悪いことは昔からよく知られています。もちろんタバコは本人にとって有害であるだけでなく、身辺にいる家族を含め、被害を被る人たちが多数おります。

 2018年8月16日号のNEJM誌に掲載された、米国・ハーバード大学公衆衛生大学院のYang Hu氏らが、米国の3つのコホート研究(NHS、NHS II、HPFS)のデータを利用・解析し、禁煙に伴う体重増加が心血管死や全病因死亡への禁煙のメリットを損なわず、ただ2型糖尿病の短期リスクを増やすことに関係していると報告された。

研究の要約
 米国の3コホート研究参加者の中で禁煙を自己申告した男女参加者を同定し、喫煙状況、体重変化を前向きに評価した。禁煙を自己申告した参加者中、禁煙後の体重増加の程度に基づいて、2型糖尿病リスク、心血管病死、全病因死亡を評価した。
 2型糖尿病リスクは、最近禁煙者(禁煙後2〜6年)では現在喫煙者よりも高かった(HR:1.22、95%CI:1.12~1.32)。糖尿病リスクのピークは禁煙後5~7年にあり、その後次第に低下した。糖尿病リスクの一時的増加は体重の増加に比例して増加したが、体重増加のない禁煙者ではリスク増加は認めなかった(相互作用のp<0.001)。

 逆に、禁煙後の体重増加と無関係に、禁煙者死亡率の増加はみられなかった。現在喫煙者と比較して、体重増加のない禁煙者では心血管病死に対するHRは0.69(95%CI:0.54~0.88)、0.1~5.0kg体重増加した禁煙者ではHRは0.47(95%CI:0.35~0.63)、5.1~10.0kg体重増加した禁煙者ではHRは0.25(95%CI:0.15~0.42)、体重増加が10kg以上の禁煙者ではHR 0.33(95%CI:0.18~0.60)、長期禁煙者(6年超え禁煙者)ではHR 0.50(95%CI:0.46~0.55)であった。同様の結果が全病因死亡についても観察された。
 禁煙に伴う体重増加は糖尿病の短期リスク増加に関係するが、心血管死亡、全病因死亡の減少に影響せず禁煙メリットを損なうことはなかったと報告している。
 

2019/10/04

PV23000

こんにちは。

小川糖尿病内科クリニック院長の小川です。

ブログPV23000達成です。

いつもありがとうございます。




2019/10/03

健康講座115~糖尿病×認知症×低血糖死亡

こんにちは。

小川糖尿病内科クリニック院長小川義隆です。

 糖尿病と認知症が併存すると、糖尿病だけの場合に比べて重症低血糖に関連する死亡リスクが大幅に高い可能性があることが、英ノルウィッチ医科大学のKatharina Mattishent氏らによる研究で明らかになった。研究の詳細は、欧州糖尿病学会(EASD 2018、10月1~5日、ドイツ・ベルリン)で発表された。
 英国における65歳以上の計1万9,995人の1型糖尿病または2型糖尿病患者を対象に、糖尿病と認知症が併存し低血糖を起こさなかった患者群(6,134人)と、これらが併存し低血糖を起こした患者群(1,679人)、糖尿病だけで認知症は併存せず低血糖を起こした患者群(1万2,182人)の3つの群に分けた上で、低血糖エピソードの初発から最長5年間追跡した。
 追跡期間中に1万1,716人の死亡が確認された。解析の結果、糖尿病と認知症が併存し低血糖を起こした患者群では、両者が併存し低血糖を起こさなかった患者群に比べて全死亡リスクが66%高いことが分かった(ハザード比1.66、95%信頼区間1.51~1.81)。さらに、糖尿病と認知症が併存した患者群では、糖尿病だけの患者群に比べて重症低血糖後に死亡するリスクが67%高いことも明らかになった(同1.67、1.54~1.8)。
 糖尿病と認知症が併存する高齢患者の死亡のリスク因子として、低血糖の重要性は十分に認識されていない。高齢患者においては、血糖コントロールの目標値を厳格に設定する必要はなく、低血糖の発生を観察するべきである。
 また、認知症治療の画期的な新薬が登場していない状況では、リスクの最小化とケアの質の向上が鍵となる。糖尿病があると認知症の発症リスクが上昇することが知られており、両者の関係について理解を深めることは喫緊の課題である。
 さらに、糖尿病患者にとって重症低血糖が危険であることは明らかだが、この研究から認知症患者ではその影響はより強まることが示唆された。今回の研究は因果関係を証明するものではないが、重症低血糖の危険性を考慮すると、認知症を併存する糖尿病患者では血糖値を慎重に管理し、低血糖予防に努める必要があるだろう。
 

2019/10/02

健康講座114~甘いものとメタボ予防

こんにちは。

小川糖尿病内科クリニック院長の小川です。

 甘いものを食べるのを日中の時間帯に限ると、メタボリック症候群の予防につながる可能性のあることを、名古屋大学大学院生命農学研究科准教授の小田裕昭氏らの研究グループがラットを用いた実験で突き止めました。時間帯に関係なく砂糖(ショ糖)を摂取するのに比べて、日中の活動時間帯に限ると脂肪肝や脂質異常症になりにくいことが分かったという。詳細は「PLOS ONE」8月15日オンライン版に掲載されました。
 
 砂糖の取り過ぎは、食べ過ぎや運動不足と同様にメタボリック症候群のリスク因子だとされている。世界保健機関(WHO)は砂糖の摂取量を1日約24g、小さじ6杯分程度に抑えることを推奨している。中でも、砂糖や異性化糖(果糖ブドウ糖液糖)を加えた加糖飲料はメタボリック症候群の原因になるとして、WHOは加糖飲料への課税などで消費量を減らすよう各国に呼び掛けている。
 
 研究グループは今回、砂糖の摂取時間を活動時間帯に制限すれば過剰摂取による脂質代謝異常を改善できるとする仮説を立てた。そこで、与えられた餌の約80%を活動期に食べる夜行性ラットを用いて、活動時間帯のみに砂糖の餌を与える実験を行った。
 
 その結果、餌の摂取量は同じであったが、砂糖を自由な時間に摂取できたグループに比べて、活動時間帯に限って摂取したグループでは肝臓内や血中の脂肪量が少ないことが分かった。
 
 甘いものの摂取には一種の習慣性がある。砂糖の取り過ぎは身体に悪いと理解していても実際に食べる量を減らすのは難しい。今回の結果から、甘いものを食べるのを日中に限ることで取り過ぎによる悪影響を避けられる可能性が考えられる。

2019/10/01

健康講座113~高齢者の運動不足と糖尿病

こんにちは。

小川糖尿病内科クリニック院長小川義隆です。

 2型糖尿病リスクが高い高齢者は、運動不足の状態がたった2週間続いただけでも糖尿病に進行しやすいことが、マックマスター大学(カナダ)運動生理学のChris McGlory氏らの研究から示唆された。詳細は「The Journals of Gerontology」7月9日号に掲載された。
 
McGlory氏らは、糖尿病発症の前段階である糖尿病前症の高齢者を対象に、運動不足の状態で2週間過ごしてもらい、血糖コントロールや筋肉を構成するタンパク質の合成への影響について調べる研究を行った。
 
対象は、過体重で糖尿病前症の高齢者22人(平均年齢69歳、男性12人)。対象者にはまず、普段の運動量で7日間過ごしてもらった後に、14日間にわたり1日の歩数を1,000歩未満として運動を控えてもらい、その後の14日間は回復期間として普段通りの運動量に戻してもらった。対象者の1日の歩数は、試験開始前の平均7,362歩から運動制限時には991歩まで減少し、その後、回復期間には7,117歩にまで戻っていた。
 
 その結果、運動を制限した期間中には、対象者のインスリンの効きが悪くなり、血糖値が上昇していることが分かった。また、運動を制限すると筋タンパク質の合成量が減ることも明らかになった。さらに、一部の高齢者では、普段通りの運動量に戻してもインスリンの効きや血糖値、筋タンパク質の合成量は元の状態に回復しなかった。
 今回対象とした高齢者では運動不足により糖尿病リスクは高まるものと予測していたが、普段通りの運動量に戻しても血糖コントロールなどの健康状態が回復しないという結果は重要である。
 
 今回の結果は、高齢者が病気や怪我で入院して長期間、安静が必要になると健康に問題が生じやすくなることを示唆している。この結果は、長期にわたり安静に過ごさねばならなかった人は年齢にかかわらず、血糖コントロールを回復させるためにも普段よりも身体を動かす必要があることを示している。

 糖尿病予備群の高齢者が2型糖尿病に進行するのを防ぐためには、運動を含めたリハビリテーションや食生活の是正が重要であり、場合によっては薬物治療を行うことが必要になるだろう。

ロゴ決定

ロゴ決定 小川糖尿病内科クリニック

皆さま、こんにちは。 当院のロゴが決定いたしました。 可愛らしいうさぎをモチーフとして、小さなお花をあしらいました。 また、周りは院長の名字である「小川」の「O(オー)」で囲っております。 同時に、世界糖尿病デーのシンボルであるブルーサークルを 意識したロゴとなって...